何をどう突っ込めばいいか、映画 pk

きっと、うまくいくでは物語に一定の軸が見られるので良いが、時々あらすじを紹介しても正直意味が無いのでは? と本気で考えさせられる事があります。チェイス! はその世界観から説明しやすかったものの、時々これというあらすじを説明しても実際に見る劇中の内容からは想像できないという物が多数見かけられるほどだ。あらすじを見てもきちんと理解できるわけがない、それもそうだ。時折奇想天外な展開を見せるインド映画に取って、筋書きされた脚本のルートなどあってないようなものなのだ。とにかく派手で人を魅了するだけの『見せる映画であればいい』とすら考えられているから、というのが一理ある。

アーミル・カーンが主演を果たした作品の中に、一番新しく、そして最も話題を集めたと言われている物があります。2014年に公開されてこちらも世界的に大ヒットし、インド映画史にその名を響かせた『pk』という作品についてだ。

この作品にしてもそうだが、あらすじを立てたところであまり本質に近づけるものではない。このpkも例外ではなく、ただ漠然と物語に隠されたテーマなどを見極めようとせずに見ているだけで面白さが体感できます。ただこの作品で取り上げられているのが、実のところインド映画の中でも禁句に近いものである『宗教』が題材となっている。なので殺伐とした感じになっているかと思いきや、そこはかとなく面白く仕立てられているので、誰もが問答無用で楽しめます。

一言言っておくと、何が起きても疑問に思うな、くらいだ。

異彩を放ち続けるアーミル・カーン

この作品がどういう物語なのかといえば、一言で言うと『地球外生命体が地球のあらゆるツッコミポイントを追求していく』というものです。突拍子もないかも知れないが、そういうしかない。この地球外生命体というのが、主演のアーミル・カーンが演じている。ただその登場シーンから呆気にとられる、何故かと言うと冒頭からなんと逞しい裸体を披露しているからだ。おそらく女性ファン、並びにそういう毛のある人達にすれば黄色い声援が出る勢いですが、男性としてもこれだけ鍛えられていたら理想的だと惚れ惚れする身体を見せつけています。

裸体の上更にその手にはラジカセのような物を持っているアーミル・カーン演じる宇宙人が、荒野にやってきて地球という星がどういうところなのか、調査をするところから始まっていく。見た目はほぼ地球人と変わりないため上手く潜伏できた、のは最初だけ。物語が進めば進むほど、彼の異常な行動ぶりが劇中で展開されていく。

上記のように、地球を調べるという意味で見れば正しい行動と言えるでしょう。そうでなかったら変人で話は片付けられない奇行だ。

服をどうやって盗むか

個人的に今作で一番気になったのは服を盗む時のことだ。アーミル・カーン演じる宇宙人は地球人が普段どんな服装を着ているのか、それを確かめるわけだが身に付ける服一枚一枚が、性別に関係ないのだ。そのため時にスカートを着ていたりと、誰得な身なりをお披露目しているのです。アーミル・カーンのファンにしたら阿鼻叫喚な光景かも知れないが、ユニークすぎる。

だが肝心の服をどうやって盗んでいるのかというと、主に車中で男女がそういう秘め事をしているときに盗んでいるのだ。この時、周囲にある10台くらいの車全てで情事が行われている。どんだけお盛んなんだよインド人と言いたくなった。ただここにも何処か風刺にも似た、インド社会に根付く問題を感じさせるところでもある。

今作のテーマとして

今作もただ漠然と面白おかしく宇宙人が地球を観察するために来たわけではない、今作で最も注目すべきポイントとは『神と宗教』という非常にナーバスなポイントだ。ボリウッドでは映画は娯楽、という要素が強いので風刺を意識した批判的かつ社会的な映画の存在はあまり好まれません。そのためテーマとしても取り上げられることはほとんどありませんが、斬新なほどに今作で宗教と人、そして神様との関係性を浮き彫りにしていこうとする世界観が魅力の1つでもある。

世界に存在する宗教といえば、最も有名なものといえば『キリスト教』・『イスラム教』・『仏教』の3つが取り上げられますが、中には全く別の新興宗教もある。日本にもそれなりに存在していますが、宗教とは時に感銘を受ける事もあれば、時に何か違和感がある部分を醸し出す点もあったりします。これに対してアーミル・カーン演じる宇宙人が時に面白おかしく、時に鋭く正直突っ込んだら誰も答えられないような質問を投げかけてくるのだ。

どうしてそこまで宗教が全面的に押し出されているのかといえば、作中での人々が神に対して抱く感情に起因しています。

神様の存在

宗教における神様とは教徒にとって絶対的かつ唯物的な存在だ。信仰強く尊敬し続けていれば、いつか自分の願いを叶えてくださると敬虔な信徒であればあるほどそう信じきっています。アーミル・カーンが役柄を担当しているキャラも、興味深いと言って参加した。

しかし彼が関われば必ず面倒事に巻き込まれるなど、予想通りの事態に巻き込まれてしまいます。その都度神様へ熱心な信仰心を見せようとしますが、一向に願いは叶わなかった。そこで出した結論が、『神様はいるけど、今は行方不明だ』と結論付ける。

こういう内容だからこそか、意外なハマり役を演じたアーミル・カーンの評判も上がり、また更なる記録更新となった。インド映画としてもそうだが、アーミル・カーンという俳優あってこそのヒット作といえるでしょう。